商品情報
【解説・ストーリー】
【解説】
伝説の責め絵師・大江春泥の「明烏」の贋作を依頼した古本屋の女将殺人事件に名探偵・明智小五郎が挑むミステリーロマン。江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」と「心理試験」を基に、「エヴァンゲリオン」の薩川昭夫が脚色。監督は「屋根裏の散歩者」の実相寺昭雄で、<責め絵>や<緊縛>を巧く仕立てて、官能と倒錯の妖しいエロチシズムの世界を際立たせたミステリー+エロスの興趣篇。
昭和2年、東京市本郷区団子坂にある古本屋“粋古洞”の女将・須永時子が、責め絵師・大江春泥の「不知火」の贋作作りを蕗屋清一郎という画家に依頼した。蕗屋は見事に「不知火」の贋作を二つ描くと、本物の「不知火」を燃やして、残った二つの贋作を時子に渡す。絵の出来映えに満足した時子は、またも春泥の「明烏」を描くよう蕗屋に依頼する。ところが吉原の遊女を折檻する場を描いた「明烏」の贋作作りには、さすがの蕗屋も困難を強いられる。時子から送られたモデルを使うも、どうも巧く描けない。そんなある日、蕗屋はモデルの衣装を着た自分の姿を鏡に映して「明烏」を完成させる。時子はふたたび満足した。だが、蕗屋は「明烏」の実のモデルが時子であったことを知って愕然とする。これまで蕗屋は、贋作を作った後に本物をこの世から消し去ってしまうのを慣わしとしていたし、自分をモデルにして描いた「明烏」のオリジナルモデルが、この世に存在してはならないのだ。蕗屋は代金を受け取りに“粋古洞”を訪れて時子を絞殺する。やがて第一発見者の従業員の斉藤が逮捕されるが、予審判事の笠森は斉藤が犯人だとは思えなかった。大江春泥の贋作が発見されて、笠森は蕗屋を疑っていた。そこで、斉藤と蕗屋に最新鋭の機械を使った心理試験を行うことになったが、結果はますます斉藤が犯人であることを明白にするばかりだった。それでも確信が持てない笠森は、その試験結果の分析を友人の明智小五郎に依頼した。果たして、明智は蕗屋が犯人であると断言するが…。
出演は贋作者・蕗屋清一郎に真田広之が扮して異様なナルシスティックな犯人役を好演。他に古本屋の女将・須永時子に吉行由美、判事に岸部一徳、明智小五郎に嶋田久作、小林少年に三輪ひとみが扮して夫々見せ場を作っている。
【公開日】1998年5月公開
【コピーライト】(C)1997 東映ビデオ・東北新社
【キャスト】
真田広之、嶋田久作、吉行由実、大家由祐子、三輪ひとみ、岸部一徳
【スタッフ】
原作:江戸川乱歩
製作:黒澤満、植村徹
企画:大木淳吉、小坂恵一
プロデューサー:一瀬隆重、石原真、宍倉徳子
脚本:薩川昭夫
撮影:中堀正夫
美術:池谷仙克
音楽:池辺晋一郎
監督:実相寺昭雄
【スペック】
COLOR/90分/1.主音声:モノラル/片面1層/16:9 LB